日本の成人式は1月第二月曜。
以前は1月15日でしたが、祝日法の改正により2000(平成12)年に祝日の一部を月曜日に移動しました。
週休二日制の定着後、祝日を月曜にし、三連休として余暇を有意義に過ごしてもらう目的で、ハッピーマンデイ法が制定されました。
それまで1月15日だったのはなぜかと言うと、元服の儀を新年最初の満月に行っていたことに由来していると言われています。
成人式海外事情 パーティー編
6つご紹介します。
アメリカ
ほとんどの州で18歳が成年とされていますが、成年を迎えるにあたって日本の成人式のようなお祝いは特にありません。
が、16歳を迎える女の子をお祝いする“Sweet Sixteen”(スウィート シックスティーン)というイベントがあります。
アメリカではほとんどの州で16歳になると運転免許が取れるので(14歳から可の州も!)、大人の入り口に立つ年齢という意味合いがあるのかもしれません。
最近は性別に関わらずお祝いするパターンもあるようです。
オーストラリア
21歳をお祝いする“21st”(トゥエンティーファースト)というイベントが催されます。
今現在は18歳が成人年齢ですが、昔は21歳だったため21歳で成人のお祝いをしてきました。
そのため、成人年齢が18歳になった今も、成人をお祝いするイベントが21歳のまま変わらず続いているのです。
日本も2022年4月から成人年齢が18歳に引き下げられましたが、成人式は20歳をお祝いするのと似ていますね。
イギリス
18歳と21歳の両方、成人のお祝いをします。
現在は18歳が成人年齢で、昔は21歳が成人年齢だったそうです。
18歳の誕生日は家族、親戚、友人などを招いて特別なパーティーをしますが、家庭にも依るみたいですね。
これまでの伝統から21歳でもパーティーをする家庭もあるとのこと。
ラテンアメリカ
「フィエスタ・デ・キンセアニェーラ」というお祝いがあります。
15歳を迎える女の子をお祝いします。
15歳の誕生日は女の子から女性への成長を記念するお祝いとなっていて、その他の年齢の誕生日とは大きく異なります。
メキシコで最も強く残っていますが、アメリカ大陸のスペイン語圏で広く祝われています。
またアメリカの多くのラテン系アメリカ人によっても、各々の伝統に即してお祝いされています。
フランス
日本のような成人式はありませんが、18歳の誕生日に家族、親戚が集まって大掛かりなパーティーをします。
そして、これとは別に親抜きの友人を招いての夜の誕生日パーティーをするのだそう。
このパーティを自宅でする場合は、家族は完全に家を開放して家にはいないという驚きのパーティです。
日本ではちょっと考えづらいですね。
ドレスやスーツで集い、食べて飲んで踊り明かし、翌朝お開きなんだとか。
成人式海外事情 儀式編
地域や部族を5つご紹介します。
ケニア マサイ族
一人でライオン狩りを成功させて、勇気ある大人の男性と認められる風習がありました。
2011年まで行われていて、14〜15歳の男の子が挑戦していました。
命懸けの通過儀礼ですね。
現在ではライオン狩りは中止されていて、2012年からは戦士を目指す少年たちが技を競うマサイオリンピックが催されています。
バヌアツ共和国 ペンテコスト島
バンジージャンプの元祖と言われる「ナゴール」という成人儀式があります。
ジャンプするときに足首に巻きつけるのは蔦という危険な儀式です。
命に関わる蔦選びは、ジャンプする本人が選ぶのだそう。
エチオピア ハマル族
「牛跳びの儀式」という成人男性の風習があります。
10〜30頭ほどの牛を並べ、牛の背中の上を裸足で走り抜くというもの。
これは全裸で行い、落ちずに3往復できたら一人前として認められるのだそう。
メキシコ ベラクルス州
「フライングインディアン」という成人の儀式を行います。
これは18歳になった男子が対象です。
30〜90メートルの高さの塔の下で、正装でダンスをした後、塔に登っていきます。
塔の上で足首にロープを結んで逆さ吊りの状態で13回転するというもの。
命綱はなし!という、これまた命懸けの儀式です。
アメリカ先住民族 ネイティブアメリカン
成人男子の儀式として「ビジョンクエスト」があります。
心身を清めた後、一人で山の山頂や奥深い原生林に向かい、長老が用意した神聖な場所でチョークチェリーの苗木を四方に立てた3畳ほどのスペースに結界をはり、その中で4日間眠らず、断食をして過ごします。
極限状態の中で精霊からのメッセージを受け取り、自分の使命を見つけることに役立てるのだそうです。
ドイツ
1970年代、21歳だった成人年齢が18歳に引き下げられ、18歳より喫煙、飲酒が解禁になりましたが、18歳で成人になったことをお祝いする「成人式」はありません。
が、キリスト教信者の間では、「堅信礼」と呼ばれる儀式があります。
プロテスタント系では「コンフィルマティオン」、カトリック系では「フィルムング」と呼ばれる、キリスト教徒として生きる自覚を持つための儀式です。
コンフィルマティオンは14歳前後、フィルムングは13〜17歳の間に行われます。
キリスト教色が強くない地域では「ユーゲンドヴァイエ」と呼ばれる式典があったり、事前に数回集まり様々な議題について議論し、大人への準備を行うそうです。
ドイツには日本の着物のような共通の民族衣装がないので、参加する式によって着用する服装が異なります。
成人式海外事情&日本 アジア編
わが国日本を含め4つご紹介します。
中国
18歳で学校行事としてイベントがあります。
が高校3年生で受験生のため、参加したい人は少ないようです。
一般的には、国歌斉唱、国旗掲揚、首席メッセージ読み上げ、保護者の祝辞、新成人の宣誓という真面目なもの。
学校によってお祝いの内容は異なるのだそう。
学校によって登校時のジャージだったり、自由な服装だったりと、まちまちのようです。
中には古代漢民族の衣装を着て、昔の成人式の礼儀作法でお祝いする学校もあります。
韓国
5月第3月曜が成年の日とされています。
が祝日というわけでもなく、式典などもほとんどないようですが、一部の地域では成人式をしています。
男女ともに韓服を着て、男性は戴冠儀式、女性は結髪し、かんざしをさす儀式を行っています。
韓国の成人年齢は19歳です。
多くの新成人は、恋人や仲の良い友人と過ごすようです。
ミャンマーとタイ北部 シャン族
“Poi Sang Long”という「水晶男子の日」という意味の儀式があります。
7〜14歳までの男の子が対象で、年長の男性の家族に担がれて儀式に参加します。
男の子は、華やかな服を纏い、宝石や真珠などを身につけ、頭全体に花を飾り、儀式に参加して大人になります。
釈迦族の王子が仏陀になる前の姿を真似たものと言われています。
日本の成人式
ご存知の通り行政が主宰して、講演をしたり、記念品を送ったりしてお祝いしますね。
女の子は振袖、男の子は羽織袴と決まっているわけではありませんが、やはり女の子は一生に一度の振袖に憧れがあるのではないでしょうか。
圧倒的に多いですね。
男の子はスーツ姿を多く見かけるように思います。
振袖は明治以降、未婚女性の第一正装に、羽織袴は明治時代に正式に礼服として採用され、成人式の正装になったと言われています。
普段と異なる装いや髪型は通過儀礼としての意味だけではなく、美しく華やかな晴れ着を纏って、親や周囲の人に成長した姿を見せることで感謝を伝える意味もあるのだとか。
成人式は1月に開催されるのが一般的ですが、たくさんの新成人が参加できるように時期をずらして開催するところも増えてきました。
豪雪地帯なら夏に行ったり、帰省するタイミングに合わせてお盆やお正月、5月のゴールデンウィークに開催するところもあるようです。
またご当地色を打ち出した成人式も見られますね。
千葉県浦安市はディズニーランドで、鴨川市では鴨川シーワールドで開催されるのだそう!
また大阪市はあべのハルカスの階段1637段を新成人有志が歩いてあがる「ハルカスウォーク 地上300メートルの成人式」なるものが!
今も続いているのかしら。
まとめ
日本のような成人式はとても珍しいのですね。
世界各国の成人のお祝い、とても興味深いですね。
通過儀礼としての命懸けの成人の儀式、その国の当事者の皆さんはどのように受け止めているのでしょうね。
気になるところです。
世界各国の様々なお祝いを見るにつけ、この点については日本人でよかったなあとしみじみと感じてしまいました。
国によって本当に様々で面白いですね。
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